アドワーン族とムズダリファの出発儀式
指が一つないことから、ドゥーウル・イスバア〔指の人〕と呼ばれた、アドワーン族のフルサーン・イブン・アムルは次のように詩を詠んだ。
「アドワーンの部族を大目にみてやれ。
彼らは大地の蛇なのだ。
ある者たちは他人に不正を働き、
ある者たちは他人を許さなかった。
ある者たちは王子であった、
彼らの義務を忠実に守る。
ある者たちは、人びとに離れる合図を送ったものだ、
慣習と神聖な命令によって。
彼らの一人は決定を下す法官だった、
彼の判決が取り消されたことはない」。
アドワーン族は巡礼者たちにムズダリファから離れる許可を与えていたため、彼らはこの権利を父から子へと継承していたが、イスラームの到来によってこの継承は終止符を打たれた。最後の継承者となったアブー・サイヤーラ・ウマイラ・イブヌル・アーザルについて、ある詩人はこう詠んでいる。
「我らはアブー・サイヤーラとファザーラ族に守られていた。
彼はマッカに向かい、その守護者に祈りながら、
ロバを安全に通過させた」。
アブー・サイヤーラは、黒い雌ロバの背に乗りながら、巡礼者たちを送り出していた。そこで詩人は、「ロバを安全に通過させた」、と詠んだのである。
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