2012年11月3日土曜日

『預言者ムハンマドの生涯』第一巻(107)

アブドゥル・ムッタリブの死と惜別の詩(4)


 ホザーア族のマトルード・イブン・カアブは、アブドゥル・ムッタリブとアブド・マナーフの息子たちを悼んで詠んだ。

 「おお、彷徨う旅人よ、

 なぜアブド・マナーフの一族について尋ねなかったのか、

 悲しいかな、もし汝らが彼らの故郷で住んだなら、

 彼らは、汝らが傷つき、価値のない結婚をするのを妨げたであろう、

 豊かな者が貧しい者と交じり合った、

 貧者が彼らの財産となるように。

 困難な時には寛大で、

 貧者はクライシュの隊商と旅をした、

 嵐の時に人びとを養う人びとと、

 太陽が海に沈むまで、

 おお、偉大な功績の人よ、あなたが滅びて以来、

 あなたのような人に女の首飾りが触れたことはない、

 あなたのような人を抱いた母親はいない、産まれたことがない

 あなたの父のような人はいない、あのように寛大な人は、

 惜しむことのないムッタリブ、客人たちの父」。

 アブドゥル・ムッタリブが逝去すると、最年少の息子だったにもかかわらず、アルアッバースがザムザムの管理と巡礼者への水の提供を担当した。イスラームが降臨しても、この権利は彼の手にあり、使徒はかれの権利を承認し、今日に至るまでアルアッバースの一族がこの権利を保有している。

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