アブドゥル・ムッタリブの死と惜別の詩(2)
ウンム・ハキームル・バイダーアは、詠んだ。
「泣け、惜しみなく、そなたの涙を隠すな、
泣け、気前よく寛大な人のために、
あふれ出る涙を恥ずかしむな、
泣け、ラクダを駆った最良の人のために、
そなたの良き父、甘い水の泉のために。
寛大なシャイバよ、気高き人よ、
気質は惜しみなく、気前の良さを称賛される人、
家族にも惜しみなく与え、人品美しく、
凶作の年の雨のように歓迎される。
槍で戦えば彼は獅子、
彼の女たちは誇らしげに彼を見つめる。
民の希望が彼にかかっているキナーナの族長、
邪悪な日々が災厄をもたらしたとき、
彼こそは戦いが起きたときの人びとの避難所、
困難と悲嘆のときも。
泣け、彼のために、悲嘆を控えることなかれ、
汝が生きる限り、女を泣かせよ」。
ウマイマは詠んだ。
「悲しきかな、彼の民の羊飼い、寛大な人が滅びた。
彼こそは巡礼に水を与えた、我らの名声の守護者、
彼こそは天幕にさ迷える客人を集めた人、
天が雨をしぶしぶ降らせたときに。
汝は、最も高貴な息子たちに恵まれた、
汝の名声はとどまることなく高まった、
おお、シャイバよ、
アブル・ハーリスよ、気前のよい人はこの世を去った、
遠くに行かないで、生ける者ははるかかなたに行かねばならない。
私は彼のために泣き、生きる限り苦しむ。
彼の記憶は私が苦しむのにふさわしい。
神が汝の墓を雨で濡らし給う
私は彼のために泣く、墓に横たわっている。
彼はすべての民の誇り、
いかなる時も称賛に値する」。
アルワは、詠んだ。
「私は果てしなく泣いた、
寛大で謙虚な父のために、
マッカの谷の陽気な男
心は高貴で、目標は気高い、
気前がよく徳にあふれたシャイバよ、
そなたの良き父に並ぶ者はない、
武器は長く、優雅で、大きい、
あたかも彼の額は光で輝くようだった、
腰は引き締まり、美しく、品性にあふれていた、
誉れ高く、高貴で、威厳を備え、
不正に憤り、温厚にして、有能、
かれの父祖の名声は轟き、
マーリク族の避難所、フィフル族の泉、
審判が求められると、彼は最後の言葉を発した。
彼こそは英雄であった、寛大で惜しみのない、
そして血が流されるときは勇猛であった、
武装した男たちが、心うつろに死を恐れたときも、
彼はきらめく剣をもち前進した、
すべての民の称賛の的であった」。
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