2012年11月3日土曜日

『預言者ムハンマドの生涯』第一巻(108)

使徒の保護者となったアブー・ターリブ


 アブドゥル・ムッタリブは、使徒ムハンマドの保護を自分の死後は、使徒の伯父にあたるアブー・ターリブに委ねたので(そのように伝えられている)、彼はこの伯父と一緒に暮らした。使徒の父であるアブドッラーとアブー・ターリブは、母、ファーティマ・ビント・アムル・イブン・アーイズ・イブン・アブド・イブン・イムラーン・イブン・マフズームを同じくする兄弟であった。そのため祖父アブドゥル・ムッタリブの死後、使徒の世話をしていたのはアブー・ターリブで、使徒は彼の家族の一員となった。

 ヤヒヤ・イブヌッバード・イブン・アブドッラー・イブヌッ・ズバイルは、父から伝え聞いた話を私に語った。「リヒブ族の男の占い師がマッカに来る度に、クライシュたちは少年たちを彼に会わせ、運勢を占ってもらっていた。使徒がまだ子供だったころ、アブー・ターリブは、皆と一緒に使徒を連れていった。占い師は使徒を見つけると、ひどく惹きつけられため、突然、その少年をここに連れて来い、と叫んだ。アブー・ターリブが、彼のあまりの熱心さに気づき、使徒を占い師から隠すと、彼は、いまいましい、たった今、私が見た少年を連れて来い、アッラーにかけて、少年には偉大な未来が開けている、と言った。しかし、アブー・ターリブは、そこから立ち去った」。

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