2012年11月3日土曜日

『預言者ムハンマドの生涯』第一巻(103)

 アーミナの死、使徒と祖父の生活


 その後、使徒は、母のアーミナ・ビント・ワハブと、祖父のアブドゥル・ムッタリブと共に、神の保護のもとに暮らし、神の祝福を受けながら、貴重な若木のようにすくすくと育てられた。彼が六歳のとき、母アーミナは亡くなった。

 アブドッラー・イブン・アブー・バクル・イブン・ムハンマド・イブン・アムル・イブン・ハズムが私に語った。「使徒の母アーミナは、彼が六歳のとき、アディーユ・イブヌン・ナッジャールの部族の母方の伯父たちを使徒と共に訪問して帰る途中、マッカとマディーナの間のアブワで亡くなった」。そこで使徒は、祖父に預けられた。当時、人びとは、祖父アブドゥル・ムッタリブのために、カアバの日陰に座を設けていた。彼の息子たちは、アブドゥル・ムッタリブが現れるまで彼の座の周りに座り、彼に対する尊敬の念から、彼の座に腰掛ける者はいなかった。まだ幼かった使徒がその上に座ると、伯父たちは彼を追い払った。アブドゥル・ムッタリブはこれを見て、「私の息子をそのままにしておきなさい、なぜならアッラーにかけて、彼は将来、偉大な者となるからだ」、と言っていたものである。彼は使徒を自分の座上に座らせ、背中を手で軽くなでた。彼は使徒の一挙一動を見て喜んでいた。

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