サアマの物語
サアマ・イブン・ルアイイは、ウマーンに行き、そこにとどまった。伝えられるところによると、兄弟けんかの末にサアマがアーミル・イブン・ルアイイの目を打ったので、アーミルの復讐を恐れて、彼はウマーンに向かった。また、ある話によれば、サアマの乗っていた雌ラクダが草をはもうとして頭を下げたとき、蛇がラクダの唇にかみつき、横倒しになった。さらに蛇はサアマをかんだので、彼は死んだとされている。死が迫ったとき、彼は次のように詠んだという。
「目よ、サアマ・イブン・ルアイイのために泣け、
蛇がサアマの足に巻きついた。
サアマ・イブン・ルアイイのような
ラクダの犠牲者を見たことがあるか。
カアブとアーミルに伝えよ、
私の魂は彼らを懐かしむ、と。
私の家はウマーンにあるが、
私はガーリブの息子で、貧困のために出たのではない。
酒杯を何杯もあふれさせた、おお、イブン・ルアイイよ、
死を恐れて、さもなければあふれさせることはない。
お前は死を免れようと望む、おお、イブン・ルアイイよ、
しかし、誰にも死を逃れる力はない。
多数のラクダは夜の旅で、お前がひざまずかせれば静かになる、
大いなる努力の果てに」。
0 件のコメント:
コメントを投稿