2012年7月11日水曜日

『予言者ムハンマドの生涯』第一巻(76)

クサイイ・イブン・キラーブとフッバア・ビント・フライルの婚姻


 クサイイ・イブン・キラーブは、フライル・イブン・ハバシーヤに、娘のフッバアとの結婚を申し入れた。フライルは同意して彼に娘を与え、二人の間にアブドッ・ダール、アブド・マナーフ、アブドゥル・ウッザ、アブドの四人の息子が産まれた。クサイイの息子たちが外地に散らばり、富を蓄え、名声を得たころ、フライルは死んだ。そこでクサイイは、自分こそホザーア族やバクル族よりもカアバとマッカを統治するにふさわしい資質を持っており、クライシュ一族は、イスマイール・イブン・イブラヒームの最も高貴で純血な子孫である、と考えた。クサイイは、クライシュ一族とキナーナ一族に、ホザーア族とバクル族をマッカから追放しようと呼びかけ、彼らはそれに合意した。

 ウダラ・イブン・サアド・イブン・ザイドの部族のラビーア・イブン・ハラームは、マッカにやって来て、キラーブ・イブン・ムッラが死んだとき、ファーティマ・ビント・サアド・イブン・サイアルと結婚した。(ズフラはそのとき成人して離れており、クサイイは乳離れしたばかりであった)。ラビーアはファーティマを彼の土地に連れていき、クサイイもついて行った。その後、彼女はリザーハを産んだ。クサイイは成年に達するとマッカに移り住んだ。

 キラーブ・イブン・ムッラの妻、クサイイの母。

 そのような事情があったため、部族の者たちがクサイイに戦いに参加するよう呼びかけたとき、彼は弟のリザーハに手紙を書き、マッカにやって来て援護するよう頼んだ。そこでリザーハは、ラビーアの息子でファーティマを母としない三人の異母兄弟、ホン、マハムード、ジュルフマと共に出発し、巡礼でマッカに向かう多数のクダーア族の者たちがクサイイの支援に合意して、一緒にマッカに向かった。

 フライル・イブン・ハバシーヤは、自分の孫たちの繁栄を見て、「お前はホザーアよりも正当なカアバの管理権とマッカを統治する権利を持っている」とクサイイに遺言を残したと、ホザーア族は主張した。この史実によって、クサイイは、自らのカアバの管理権とマッカの統治権の正当性を訴えた。しかしこれは、ホザーア族以外のいかなる情報源からも聞かされていない話であって、真実は、神のみがご存知である。

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