2012年6月22日金曜日

『預言者ムハンマドの生涯』第一巻(51)

象の物語に言及している詩(1)


 神がアビシニア人をマッカから撃退し、彼らを罰せられたとき、全アラブは、クライシュ一族の名誉を称賛して、「彼らは神の民である。神は彼らのために戦い、彼らの敵の攻撃を撃退してくださった」、と言った。彼らはこの事件を題材にして、多数の詩を詠んだ。そのような詩を詠んだ者たちの一人である、アブドッラー・イブヌッ・ズィバリ・イブン・アディーユ・イブン・カイス・イブン・アディーユ・イブン・サアド・イブン・サハム・イブン・アムル・イブン・ホサイス・イブン・カアブ・イブン・ルアイイ・イブン・ガーリブ・イブン・フィフルは、次のように詠んだ。

 「マッカの谷から退け、

 いにしえより、その聖地は侵害されたことはない。

 その地が聖別されたとき、シリウスは創造されていなかった。

 いかに強大な者であってもその地を攻撃した者はいない。

 アビシニアの司令官に何を見たか聞け。

 何が起きたかを知る者は、無知な者に教えるであろう。

 六万の男たちが家に帰らなかった。

 帰っても病が癒えることはなかった。

 アードとジュルフムが彼らの前にマッカにいた。

 神は、その地をあらゆる被造物の上に定められた」。

 「帰っても病が癒えることはなかった」、というのは、マッカで襲撃されて兵士たちに運ばれて帰り、サヌアで死んだアブラハに言及した言葉である。

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