象の物語に言及している詩(3)
ターリブ・イブン・アブー・ターリブ・イブン・アブドゥル・ムッタリブは、次のように詠んだ。
「お前はダーヒスの戦い※で何が起きたか知っているか、
それからアブー・ヤクスームの軍が、道を覆ったときのこと。
唯一、実在される主の助けがなかったならば、
お前は自らの命を助けることはできなかったであろう」。
※六世紀半ば過ぎのころ、北アラビアのアブス族はアラブ最速とうたわれた駿馬ダーヒスを所有していた。兄弟部族のズビヤーンは、彼らが保有するガブラの方がダーヒスより速いと自慢して競馬を挑み、ズビヤーン部族員の不正行為によってガブラが勝利したことから抗争が始まった。この部族戦争は、七世紀初頭まで数十年間継続した。
アブッ・サルト・イブン・アブー・ラビーアッ・サカフィーは、象とイブラヒームの純正な信仰に言及して、次のように詠んだ。
「我らが主のしるしは輝いている。
不信者以外、疑う者は誰もいない。
夜と昼は創造され、すべてが極めて明白であり、
応報には狂いがない。
そして慈悲深い神はその日を啓示された、
その光がどこまでもとどく太陽によって。
神はアルムガンミスで象をしっかりと抑止された、
あたかも腱を切断されたかのように、地に伏せるまで。
鼻は輪に巻かれ、動くことなく横たえられた、
カブカブ山から、岩石が飛び出したとき。
周りにはキンダの諸王、戦士たち、強大な鷹が戦いに集まった。
彼らは戦争を放棄し、まっしぐらに逃走した、
一人残らず、すねを砕かれて。
復活の日に、神が一瞥されれば、
唯一の神への純正な信仰以外のあらゆる邪教が地獄に落とされる」。
アブラハが死ぬと、息子のヤクスームがアビシニア人の王位に就いた。ヤクスーム・イブン・アブラハが死ぬと、その弟のマスルーク・イブン・アブラハが、イエメンのアビシニア人を支配した。
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