サイフ・イブン・ズゥー・ヤザンの旅と、ワハリズのイエメン支配(3)
サイフ・イブン・ズゥー・ヤザンは、次のように詠んだ。
「人びとは二人の王が和平した、と思っていたが、
和解について聞いていた人たちは、事態が非常に深刻であることに気づいた。
我々は、マスルーク王子を惨殺し、砂を血で染めた。
ワハリズは、誓った、
捕虜と戦利品を獲得するまで酒を飲まない、と」。
アブッ・サルト・イブン・アブー・ラビーアッ・サカフィーは、次のように詠んだ。
「イブン・ズゥー・ヤザンのような者に、復讐させよう、
敵のために、何年もの間、海で過ごした者に、
旅の時がきたとき、彼はカエサル〔ローマ皇帝〕に会いに行った、
だが、彼は目的を果たせなかった。
そこで彼は向きを変え、十年後にキスラを訪ねた、
命も金も惜しまず
ペルシャ人を連れて戻るまで。
私の命にかけて、そなたの行動はす速かった、
なんと気高い軍団がやって来たのであろう、
彼らのような男たちは見たことがない、
貴族、貴公子、偉丈夫、射手たち、
ジャングルで幼獣を鍛えるライオンたち。
曲げられた弓で矢を放った、
輿の柱のように太い矢を、
えじきを即死させ。
そなたは、黒い犬たちに対して、ライオンを連れてきた、
逃亡者たちは全土に散らばった。
だから存分に飲め、王冠を被って、
グムダーンの頂で、選んだ家の中で椅子にもたれながら。
存分に飲め、彼らは死んだのだから、
そして今日は長いローブを着て誇らしげに歩け。
なんと高貴な行いであろう、
バケツ二杯の水の混じったミルクではない、
後で小便になってしまう」。
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