2012年6月22日金曜日

『預言者ムハンマドの生涯』第一巻(56)

サイフ・イブン・ズゥー・ヤザンの旅と、ワハリズのイエメン支配(3)


サイフ・イブン・ズゥー・ヤザンは、次のように詠んだ。

 「人びとは二人の王が和平した、と思っていたが、

 和解について聞いていた人たちは、事態が非常に深刻であることに気づいた。

 我々は、マスルーク王子を惨殺し、砂を血で染めた。

 ワハリズは、誓った、

 捕虜と戦利品を獲得するまで酒を飲まない、と」。

 アブッ・サルト・イブン・アブー・ラビーアッ・サカフィーは、次のように詠んだ。

 「イブン・ズゥー・ヤザンのような者に、復讐させよう、

 敵のために、何年もの間、海で過ごした者に、

 旅の時がきたとき、彼はカエサル〔ローマ皇帝〕に会いに行った、

 だが、彼は目的を果たせなかった。

 そこで彼は向きを変え、十年後にキスラを訪ねた、

 命も金も惜しまず

 ペルシャ人を連れて戻るまで。

 私の命にかけて、そなたの行動はす速かった、

 なんと気高い軍団がやって来たのであろう、

 彼らのような男たちは見たことがない、

 貴族、貴公子、偉丈夫、射手たち

 ジャングルで幼獣を鍛えるライオンたち。

 曲げられた弓で矢を放った、

 輿の柱のように太い矢を、

 えじきを即死させ。

 そなたは、黒い犬たちに対して、ライオンを連れてきた、

 逃亡者たちは全土に散らばった。

 だから存分に飲め、王冠を被って、

 グムダーンの頂で、選んだ家の中で椅子にもたれながら。

 存分に飲め、彼らは死んだのだから、

 そして今日は長いローブを着て誇らしげに歩け。

 なんと高貴な行いであろう、

 バケツ二杯の水の混じったミルクではない、

 後で小便になってしまう」。

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