ティーバーン・アスアド・アブー・カリブは、いかにしてイエメンを領有し、ヤスリブに遠征したか(5)
王は、マッカ滞在中に夢を見て、カアバを覆いで隠しなさいというお告げを受けたので、ナツメヤシの葉を織って作った覆いを被せた。王は、また夢を見て、もっと良いもので覆いなさいと告げられたため、イエメンの布地を被せた。三度目の夢を見たとき、王は縞模様の上等なイエメン布地で覆った。伝えられるところによると、ティバーンは、カアバをこのように覆った最初の人である。彼は、カアバの門番であるジュルフムたちに、カアバを清浄に保つよう命じ、聖域で血を流したり、死者や月経中の婦人を入れることを禁じ、そして門とその鍵を付けさせた。
スバイヤ・ビントル・アハッブ・イブン・ザビーナ・イブン・ジャズィーマ・イブン・アウフ・イブン・ナスル・イブン・ムアーウィヤ・イブン・バクル・イブン・ハワーズィン・イブン・マンスール・イブン・イクリマ・イブン・ハサファ・イブン・カイス・イブン・アイラーンは、アブド・マナーフ・イブン・カアブ・イブン・サアド・イブン・タイム・イブン・ムッラ・イブン・カアブ・イブン・ルアイイ・イブン・ガーリブ・イブン・フィフル・イブン・マーリク・イブヌン・ナドゥル・イブン・キナーナの妻である。彼女は、夫との間にもうけたハーリドという名の息子に、マッカの神聖さを銘記させ、ひどい罪を犯させないように教育するため、マッカでのトゥッバア王の敬意ある行為を語って聞かせた。
「おお、我が息子よ、マッカでは、ささいな罪も、重大な罪も、決して犯してはならない。
聖域を守り、世間に迷わされてはならない。
マッカで邪悪な行いをする者は、最悪の不幸に見舞われる。
顔はひどく懲らしめられ、ほおは火で焼かれる。
母は、マッカで悪事を働く者は、破滅することを知っている。
その地に城が築かれていないにもかかわらず、神はその地を神聖となされた。
神は、その地の鳥を神聖となされ、サビール山※の野ヤギに平安を与え給うた。
トゥッバアは、そこに害を及ぼさんとしたが、カアバを、刺しゅうを施した布で覆った。
神は、カアバに主の主権を献上し、主の誓いを成就なされた、
その庭に天上から裸足で、二千頭のラクダと共に降られて。
主は、その地の人びとを豊かなラクダの肉で養い給うた。
また、純粋な蜂蜜と清浄な麦の重湯を飲み物として下された。
(主は)象の軍団を撃滅し、
巨大な石を投げつけられて、
(そして主は破壊された)はるか彼方の彼らの王国を、
ペルシャでも、ハザール※でも。
その物語が語られるとき、お前は耳を澄まして聞くがいい、
そしてそれらの物語の終わりを理解せよ」。
※サビールはマッカ近郊の山の名。
※ハザールはカスピ海の北、ヴォルガ川流域とカザフスタン地方を指す。
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