2012年6月5日火曜日

『預言者ムハンマドの生涯』第一巻(28)

ティーバーン・アスアド・アブー・カリブは、いかにしてイエメン王国を領有し、ヤスリブに遠征したか(3)


 ハーリド・イブン・アブドゥル・ウッザ・イブン・ガズィーヤ・イブン・アムル・イブン・アウフ・イブン・グンム・イブン・マーリク・イブヌン・ナッジャールは、アムル・イブン・タッラを称賛する詩を詠んだ。

 「彼は、もはや若者の愚かしさを捨ててしまったのか。

それとも思い出すことをやめてしまったのか。

 あるいは、存分に楽しんでしまったのだろうか。

 あるいは、お前たちは若さを覚えているか。

 お前たちは、若さの記憶とその時代をもっているか。

 それは、経験を与えるような、若者の戦争だった。

 そして、イムラーンか、それともアサドに聞け、

 夜明けの星と共にアブー・カリブが、

 彼の大いなる軍団を率いて怒涛のごとく現れたとき、

 長い鎖かたびらに身を包み、刺激的な臭いを漂わせて。

 彼らは言った、我らが襲いかかるのは誰なのか、

 アウフの部族か、それともナッジャールの部族か。

 疑いなく、ナッジャールの部族である、

 我々は殺された者の復讐を求めているからである。

 そして、我々の剣士たちが彼らに出会うため出かけて行った、

 その数は、降りしきる雨の雨滴のように多かった、

 アムル・イブン・タッラは、その中にいた。

 (神よ、彼の民の幸福のため、彼を生き永らえさせ給え)。

 彼は、王たちに匹敵する秀でた族長である、

 だが、彼と競おうとする者は、彼の気高さを知ることはない」。

 アンサールの部族は、トゥッバアが激怒したのは、アンサールと共にいたユダヤ部族に対してだけであり、彼らを撃滅することだけを意図していたにもかかわらず、トゥッバアが去るまで自分たちはユダヤ部族を守護した、と主張している。

 そこで、ハーリド・イブン・アブドゥル・ウッザは、次のように言っている。

 「ヤスリブに住む二つのユダヤ部族に対する怒りは、彼らが、運命の日に懲罰に値する十分な理由となる」。

 ヤスリブは、神の使徒が聖遷する以前のマディーナの名前。

0 件のコメント:

コメントを投稿