2012年6月22日金曜日

『預言者ムハンマドの生涯』第一巻(57)

サイフ・イブン・ズゥー・ヤザンの旅と、ワハリズのイエメン支配(4)


 タミーム族のアディーユ・イブン・ザイドル・ヒーリは、次のように詠んだ。

 「サヌアに次いで何があるというのか、

 惜しみなく贈り物を与えた王国の王がかつて暮らしていた。

 その建造者は、流れる雲にまで築き上げた、

 高い部屋は芳香を発した。

 山で囲まれて、敵の攻撃から守護され、

 その高さはよじ登ることもできない。

 麗しきは夜のフクロウの声だった、

 フルート奏者でさえそれに応えた。

 運命はそこにペルシャ軍をもたらした、

 騎士たちが列をなしてやって来た。

 彼らはラバに死を積んで運んできた、

 そばにラバの子を走らせて、

 王子たちが砦の上で見つけるまで、

 軍団が鉄の武器を光らせて、

 その日は、彼らが蛮族とヤクスームに呼びかけるときだった、

 逃げる者は呪われよ、と。

 その日はいまだに語り継がれている、

 しかしそれは、長い間威厳を保持して来た民族が滅んだ日であった。

 ペルシャ人が先住の民族にとって代わった、

 それは暗く、不気味な日であった。

 トゥッバアの高貴な息子たちのあと、

 ペルシャの将軍たちがそこに深く根を下ろした」。

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